武◯先生のような先生は相当単純にいろいろなことを語る傾向があると思うが、
本書では例えば厚みという概念一つとっても非常に深い感覚を伴って運用する必要があることを教えてくれる。最初に読んだ当時はすごく感動した。
本書を読んで囲碁 AI を理解するのとそうでないのとで、随分理解の深みに差が出る気もする。
関連書としては、
王銘エンの囲碁ミステリーツアー
の読みと感覚の議論が挙げられよう。

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
地と模様を超えるもの: 趙治勲の囲碁世界 単行本 – 1999/10/1
趙 治勲
(著)
- 本の長さ177ページ
- 言語日本語
- 出版社河出書房新社
- 発売日1999/10/1
- ISBN-104309263909
- ISBN-13978-4309263908
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
最強者の情熱の源泉、強靭さの秘密とは? 「碁が弱い、才がない」これがスタートラインと言う著者が、棋風の形成、形勢判断が苦手な理由、先人とライバル達など、名人・棋聖の囲碁観を本音で語る。
登録情報
- 出版社 : 河出書房新社 (1999/10/1)
- 発売日 : 1999/10/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 177ページ
- ISBN-10 : 4309263909
- ISBN-13 : 978-4309263908
- Amazon 売れ筋ランキング: - 607,461位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 801位囲碁 (本)
- - 51,992位エンターテイメント (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2018年6月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2011年12月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
棋士たるものは、どうあるべきか歯切れよくかたっている。対戦している棋士たちの性格や個性も余すことなく、語っています。
こうした、プロ棋士の自叙伝は好きなほうです。
こうした、プロ棋士の自叙伝は好きなほうです。
2017年8月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
囲碁界最強の棋士は誰か? 江戸時代のような古い時代は、棋譜は残っているが、現代とは条件も異なり、単純な比較は困難である。では、本因坊戦の始まった昭和16年以降では誰か? それは趙治勲ではないだろうか。実績では坂田をも抜いている。その趙治勲を、ひたひたと追いかけている天才がいる。井山祐太である。まだ井山は小林とは並んでも、趙の実績には到達していない。いずれ抜く可能性はあるものの、あの井山でも到達できていない高みに、燦然と趙治勲が輝いている。それだけ凄い棋士なのだ。その趙の囲碁に関する誠実で独特な考えに触れられる本書は、本当に面白く参考になった。「形勢判断するべからず」「昔より現代が強い」など、趙独特の考え方だと感じた。驚くことに、これ程の実績を上げているのに、「自分は強くない」と本気で考えていることだ。やはり時代を築いた人物は、並みではない。
2011年12月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
囲碁が韓国、中国に押され気味なのは何故か疑問に思っていた。(歴史の厚みはどうしたのという事)
趙治勲はこう考えた。
国際棋戦は、3時間ルールである。
日本に於いては、二日制8時間あり、5時間あり、早碁ありとバラエティーに富んでいる。
8時間と3時間は、もう完全に別の世界である。
二日制(移動日を含め4日掛り)とは、どのようなものか。それは、一つの異空間に連れ込まれることである。
プレーヤーは、頭脳だけの勝負から全人的な戦いを要求される。
誂えられた最上の異空間で醸成されるドラマには日本独特の美意識が潜んでいる。
いっそ、3時間に統一すればと思いつつ二日制にもどこか魅かれるものがある。
そこには、心理的・生理的な微妙な調整を求めるものがあり韓国、中国の棋士には恐らく想像にもつかないものがあると思う。
もう一つは、日本の碁界は中堅層が分厚くそこを突破するには一苦労、二苦労しなければならない。時間がかかり過ぎ中々、飛び出せない。という事である。
趙治勲は、囲碁を近代と前近代に分けて考えている。その分水嶺が林海峯で後者の天才が呉清源である。
囲碁は、時代により、ルール(コミ)により劇的に変化する微妙なものであることが解る。
趙治勲、「現代碁」を語るであり明解である。
そして又、充実のヨミは三十分から一時間位である。
気持ちが高まることにより終盤で間違えないし、また秒読みでいい手が飛び出したりする。
ヨミには、部分だけですませられるヨミと全局に及ぶヨミがあり、全局のヨミには二通りある。一つはある一場面で切り取ってそのシーンで全局のヨミを考える。もう一つは、手順の流れに沿って一局を全体の中で捉える。いわば走りながら流動的にまわりの景色にとけ込んでいく。
そして、二日八時間あると本道とは別に脇道がいっぱい見つかる。脇道の中で何ということのない石ころを一つ見つけただけで盤上世界は混沌としてくる。
本来、脇道がいっぱいあるのに私たちはそれを素通りしているだけのことである。合理的かもしれないが生活することは脇道に潜むある種のロマンを切り捨てることに他ならない。
趙治勲はこう考えた。
国際棋戦は、3時間ルールである。
日本に於いては、二日制8時間あり、5時間あり、早碁ありとバラエティーに富んでいる。
8時間と3時間は、もう完全に別の世界である。
二日制(移動日を含め4日掛り)とは、どのようなものか。それは、一つの異空間に連れ込まれることである。
プレーヤーは、頭脳だけの勝負から全人的な戦いを要求される。
誂えられた最上の異空間で醸成されるドラマには日本独特の美意識が潜んでいる。
いっそ、3時間に統一すればと思いつつ二日制にもどこか魅かれるものがある。
そこには、心理的・生理的な微妙な調整を求めるものがあり韓国、中国の棋士には恐らく想像にもつかないものがあると思う。
もう一つは、日本の碁界は中堅層が分厚くそこを突破するには一苦労、二苦労しなければならない。時間がかかり過ぎ中々、飛び出せない。という事である。
趙治勲は、囲碁を近代と前近代に分けて考えている。その分水嶺が林海峯で後者の天才が呉清源である。
囲碁は、時代により、ルール(コミ)により劇的に変化する微妙なものであることが解る。
趙治勲、「現代碁」を語るであり明解である。
そして又、充実のヨミは三十分から一時間位である。
気持ちが高まることにより終盤で間違えないし、また秒読みでいい手が飛び出したりする。
ヨミには、部分だけですませられるヨミと全局に及ぶヨミがあり、全局のヨミには二通りある。一つはある一場面で切り取ってそのシーンで全局のヨミを考える。もう一つは、手順の流れに沿って一局を全体の中で捉える。いわば走りながら流動的にまわりの景色にとけ込んでいく。
そして、二日八時間あると本道とは別に脇道がいっぱい見つかる。脇道の中で何ということのない石ころを一つ見つけただけで盤上世界は混沌としてくる。
本来、脇道がいっぱいあるのに私たちはそれを素通りしているだけのことである。合理的かもしれないが生活することは脇道に潜むある種のロマンを切り捨てることに他ならない。
2003年7月20日に日本でレビュー済み
私は社会人になってから碁を覚えました。まだ初段レベルにも達していません。最初は、武宮正樹の宇宙流のような碁が好きだったので、テレビの囲碁番組で趙治勲の碁を初めて見たときはとてもビックリしました。なんだか怖そうな表情しているし、愛想も悪そうに見えたし。けれどもこの本を読んで、趙治勲の考え方の一部が理解できるような気がしてきました。他の有名棋士の碁の評価も、歯に衣着せぬ表現で書いてあります。とても正直に書かれている本です。