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ガンディー 平和を紡ぐ人 (岩波新書) 新書 – 2018/1/20
竹中 千春
(著)
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暗殺から七〇年。非暴力不服従により社会を民衆の側から変革しようとした、ガンディーの生き方と思想は、いまも汲めど尽きせぬ恵みをもたらす。恐怖と不信に屈すれば真理を見失う。人々の真の自由と独立は、平和を紡ぐ糸車(チャルカ)から生まれる。「マハートマ(偉大なる魂)」と呼ばれた人の生涯を語る、熱き評伝。
- 本の長さ240ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2018/1/20
- ISBN-104004316995
- ISBN-13978-4004316992
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対象商品: ガンディー 平和を紡ぐ人 (岩波新書)
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2018/1/20)
- 発売日 : 2018/1/20
- 言語 : 日本語
- 新書 : 240ページ
- ISBN-10 : 4004316995
- ISBN-13 : 978-4004316992
- Amazon 売れ筋ランキング: - 307,491位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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上位レビュー、対象国: 日本
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2022年1月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読みやすかったです
2018年6月3日に日本でレビュー済み
ガンディーがなくなってちょうど70年が経った。私が子供だったころ、まだガンディーが死んで十数年しか経っておらず、ガンディーの名前はインド関連のニュースや新聞記事等でもしばしば見た記憶がある。今、インドでは「ガンディーヤナ」というガンディーを国民的偉人の物語?として描くジャンルがあり、インド政府の事業としてガンディー著作集が発行され、それは98巻にも及ぶという。インドでは、半ば神格化されているようである。
この本は小著ながら、インドがイギリス植民地から独立にいたる一番困難な時期の指導者としての数々の偉業に触れながら、ガンディーの実像に迫っている。「サティヤグラーハ」や「スワデーシ」はガンディーが唱えた運動を表す言葉だが、彼がそれを信条として生涯貫いて実践していくその姿がやはり、我々の胸を打つ。それはおそらくインドの人々にとっても同じで、自分を厳しく律して妥協しないという他の政治家と違う姿勢が、「ダルシャン」≒神に近い聖人のように慕われたのであろう。
私には、長男のハリラールやその娘のマヌーとの関係が書かれていたことが、とても興味深かった。ガンディーの家族として生まれたことはおそらくこういうことも引き起こすだろうと予想はされるものの、やはり偉大な父、祖父の存在は重圧であっただろう。
歴史的な事実としては、インドとパキスタンが宗教の違いから分離してイギリスから独立し、その際のヒンドゥー教徒とイスラム教徒の暴徒化による死者(推定200万人)や性的被害者(推定数十万人)の数は目を覆うものがある。ガンディーはもちろんこの被害を抑えようと必死の活動をしたが、それでこの数である。この書物で、ガンディーは暗殺はある意味彼自身覚悟の上のことで、自分が殺されることで国の危機的状況を救いたいという気持ちがあったのではないかというようなことが述べられている。私もそのように思う。
今、インドはヒンドゥー優先の人民党が政権をとりつつ、各州政府ではまた、独自の政策が採られているようである。インドは本当に混沌としていて分かりにくい。その中でイスラム教徒も含め、今も敬愛を集めているのがガンディーなのではないか。
この本は小著ながら、インドがイギリス植民地から独立にいたる一番困難な時期の指導者としての数々の偉業に触れながら、ガンディーの実像に迫っている。「サティヤグラーハ」や「スワデーシ」はガンディーが唱えた運動を表す言葉だが、彼がそれを信条として生涯貫いて実践していくその姿がやはり、我々の胸を打つ。それはおそらくインドの人々にとっても同じで、自分を厳しく律して妥協しないという他の政治家と違う姿勢が、「ダルシャン」≒神に近い聖人のように慕われたのであろう。
私には、長男のハリラールやその娘のマヌーとの関係が書かれていたことが、とても興味深かった。ガンディーの家族として生まれたことはおそらくこういうことも引き起こすだろうと予想はされるものの、やはり偉大な父、祖父の存在は重圧であっただろう。
歴史的な事実としては、インドとパキスタンが宗教の違いから分離してイギリスから独立し、その際のヒンドゥー教徒とイスラム教徒の暴徒化による死者(推定200万人)や性的被害者(推定数十万人)の数は目を覆うものがある。ガンディーはもちろんこの被害を抑えようと必死の活動をしたが、それでこの数である。この書物で、ガンディーは暗殺はある意味彼自身覚悟の上のことで、自分が殺されることで国の危機的状況を救いたいという気持ちがあったのではないかというようなことが述べられている。私もそのように思う。
今、インドはヒンドゥー優先の人民党が政権をとりつつ、各州政府ではまた、独自の政策が採られているようである。インドは本当に混沌としていて分かりにくい。その中でイスラム教徒も含め、今も敬愛を集めているのがガンディーなのではないか。
2018年4月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ガンデイーという人物の多様性を浮き彫りにした名著です。
ガンデイーというと、塩の行進が有名ですが、非暴力不服従運動で、流血の惨禍なしにインドを大英帝国から独立に導いた、民衆指導者として姿が強いです。 ただ本書を読むと、ガンデイーは、この枠に収まりきらない存在であったことがわかります。
まず、ガンデイーが南アフリカでのインド人の身分の改善等の運動に一区切りをつけて、インドに戻り、本格的にインドでの政治活動を始めたのは、ガンデイー46歳の1915年、インドの民衆指導者としては、大変遅いデビューです。 他に会議派にはインドで実績を積んできた指導者は複数いたわけです。 こうした中、どうしてガンデイーは、短期間に、民衆に敬愛される大衆指導者になったのか。
独立運動にはリーダーの中に常に方針の相違があります。 インド独立運動も然り。 有名な1930年の「塩の行進」についても、ガンデイーが発表した時、会議派主流は、拍子抜けして評判がすこぶる悪かったという指摘は、非常に興味深いです。 ガンデイーの方針に大きな期待をかけて次なる運動方針を見守っていたところ、「歩こう」ということになり、拍子抜けした、ということでしょう。
しかし、事実は、「塩の行進」は大きな成功を収め、非暴力不服従運動の推進役となりました。 ガンデイー61歳。
以降のガンデイーは、独立を目指す政治指導者としての顔と、不可触民というカーストの最下層にいる民衆の開放、ヒンズー教徒とムスリムとの融和を目指す民衆指導者としての顔を持ちます。 本書では、どちらかというと、後者により焦点があてられています。
歴史は1947年8月15日のインド、パキスタンの分離独立という結末となり、ガンデイーの「一つのインド」の希望は無になります。
独立前後、ヒンズー、ムスリム間の憎悪は高まり、むごたらしい悲惨な事態が各地で起こります。 これを収拾しようと自らそういった地域に足を運ぶ、ガンデイー。 国家運営という視点から考えていた、ネルー他インド独立直後を担った政治家とは、一線を画します。
そして、1948年1月30日、ガンデイーはヒンズーを犠牲にしてムスリムに力を与えた、と信じるヒンズー過激派の凶弾に倒れます。 享年78歳。
ガンデイーというと、塩の行進が有名ですが、非暴力不服従運動で、流血の惨禍なしにインドを大英帝国から独立に導いた、民衆指導者として姿が強いです。 ただ本書を読むと、ガンデイーは、この枠に収まりきらない存在であったことがわかります。
まず、ガンデイーが南アフリカでのインド人の身分の改善等の運動に一区切りをつけて、インドに戻り、本格的にインドでの政治活動を始めたのは、ガンデイー46歳の1915年、インドの民衆指導者としては、大変遅いデビューです。 他に会議派にはインドで実績を積んできた指導者は複数いたわけです。 こうした中、どうしてガンデイーは、短期間に、民衆に敬愛される大衆指導者になったのか。
独立運動にはリーダーの中に常に方針の相違があります。 インド独立運動も然り。 有名な1930年の「塩の行進」についても、ガンデイーが発表した時、会議派主流は、拍子抜けして評判がすこぶる悪かったという指摘は、非常に興味深いです。 ガンデイーの方針に大きな期待をかけて次なる運動方針を見守っていたところ、「歩こう」ということになり、拍子抜けした、ということでしょう。
しかし、事実は、「塩の行進」は大きな成功を収め、非暴力不服従運動の推進役となりました。 ガンデイー61歳。
以降のガンデイーは、独立を目指す政治指導者としての顔と、不可触民というカーストの最下層にいる民衆の開放、ヒンズー教徒とムスリムとの融和を目指す民衆指導者としての顔を持ちます。 本書では、どちらかというと、後者により焦点があてられています。
歴史は1947年8月15日のインド、パキスタンの分離独立という結末となり、ガンデイーの「一つのインド」の希望は無になります。
独立前後、ヒンズー、ムスリム間の憎悪は高まり、むごたらしい悲惨な事態が各地で起こります。 これを収拾しようと自らそういった地域に足を運ぶ、ガンデイー。 国家運営という視点から考えていた、ネルー他インド独立直後を担った政治家とは、一線を画します。
そして、1948年1月30日、ガンデイーはヒンズーを犠牲にしてムスリムに力を与えた、と信じるヒンズー過激派の凶弾に倒れます。 享年78歳。
2023年10月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本の「はじめに」には、次のようにあります。
>独立インドの初代首相となったジャワーハルラール・ネルーは、「ガンディーの伝記を執筆することは凡人には不可能だ」と語ったという。
この本は、まさにこの「ガンディーの伝記を執筆することは凡人には不可能だ」ということを、この本自らが体現してしまっている、とはいえないでしょうか。
なぜならば、例えば、この本のp205には、「殉死の思想を超えて」とあります。
この記載は、ガンディーが、まるで殉死の思想を持っていたかのような記載ととらえることが可能であると考えられます。しかしながら、なぜ、ガンディーが殉死の思想を持っていた、などという決めつけのような記載をすることが可能なのでしょうか。この思想は、ガンディーの思想ではなくて、この殉死に関する発想を思いついたところの筆者本人の思想ではないでしょうか。つまり、この本の筆者こそが、殉死の思想を持っているということを示唆しているということなのではないでしょうか。なぜならば、ガンディーの思想の意味付けとして、他にもたくさんの可能性があるなかから、この本の筆者が選び出したのが、殉死の思想であったからです。なぜ、この本の筆者は、ガンディーの思想の意味付けとして、他の意味を選択することをしなかったのでしょうか。できなかったのではないでしょうか。それは、この本の筆者が見ている世界というものが、ガンディーの思想の意味付けとして、殉死の思想を選択してしまうような世界だからということなのではないでしょうか。
>独立インドの初代首相となったジャワーハルラール・ネルーは、「ガンディーの伝記を執筆することは凡人には不可能だ」と語ったという。
この本は、まさにこの「ガンディーの伝記を執筆することは凡人には不可能だ」ということを、この本自らが体現してしまっている、とはいえないでしょうか。
なぜならば、例えば、この本のp205には、「殉死の思想を超えて」とあります。
この記載は、ガンディーが、まるで殉死の思想を持っていたかのような記載ととらえることが可能であると考えられます。しかしながら、なぜ、ガンディーが殉死の思想を持っていた、などという決めつけのような記載をすることが可能なのでしょうか。この思想は、ガンディーの思想ではなくて、この殉死に関する発想を思いついたところの筆者本人の思想ではないでしょうか。つまり、この本の筆者こそが、殉死の思想を持っているということを示唆しているということなのではないでしょうか。なぜならば、ガンディーの思想の意味付けとして、他にもたくさんの可能性があるなかから、この本の筆者が選び出したのが、殉死の思想であったからです。なぜ、この本の筆者は、ガンディーの思想の意味付けとして、他の意味を選択することをしなかったのでしょうか。できなかったのではないでしょうか。それは、この本の筆者が見ている世界というものが、ガンディーの思想の意味付けとして、殉死の思想を選択してしまうような世界だからということなのではないでしょうか。
2018年3月30日に日本でレビュー済み
「ガンディーはよく笑い、よく話し、よく怒った。真面目で正直な努力家で、しかも合理的で優秀で、実行力がある働き者だった。(中略)彼ほど頑固な人はいないと批判もされたが、人間を愛し、正義のために戦い続けた人だった。多くの友人と弟子に恵まれ、いつも人々の中にいて、ともに考え、神に祈った。命がけで平和を守り、平和をつくろうとした英雄は、決して孤高の人ではなかったのである(はじめに)」
しびれるようなこの序文に、本書のガンディー像は集約されている。この情熱的な筆致で、学者としては大胆にみえる推論も展開しながらその生涯を描いている。知名度の高い「偉人」であり、近年は晩年の奇行や、不可触民指導者・アンベードカルとの確執もあって、読む前は「今さら」感もあったし、非暴力不服従のあまりな理想主義ぶりに鼻白む思いもあった。だが読んだ後、インド人の大半が、ほかにも指導者がいるにも関わらず熱狂的にガンディーに付き従ったのか、深い理解を得ることができた。
インド人の絶大な尊敬を集めた理由は明快だ。ガンディー以前のインド・ナショナリズムは、エリート階級たる法曹家だけで社会の広がりを欠いていた。だが、ガンディーはインドでの運動を、民衆の権利拡大から始めた。男女・カーストなど階級が絶望的に深く、底辺層を人間扱いしないエリートが頂点に座るインドにおいて、ガンディーはエリートの独立運動と民衆の地位向上運動を結びつけ、独立へ導く触媒となった。インド政界の中心人物でありながら、不可触民とも貧農とも起居を共にし、家族も己の一命も顧みず無私を貫く。「塩の行進」のような時宜を得た非暴力運動と法廷弁護に裏付けられた巧みな交渉で、権力者から権利を勝ち取るガンディーを、民衆は指導者として選択したのだ、と著者はいう。
そしてガンディー暗殺から現代までのインド政治を、著者は地続きのイデオロギー史として解説する。独立時の印パ対立でインドは大混乱に陥り、会議派を中心とする穏健派と、ヒンズー至上主義の急進派民族主義が激しく対立していた。非暴力融和を訴えるガンディーは独立後、ネルーら会議派指導者から時代遅れと受け取られていたが、その劇的な死をインド全土が悼み、混乱は一気に終息する。しかし、ヒンズー至上主義はガンディーの死で終わったわけではない。2018年現在、インドの政権はガンディーの死で非合法化された民族主義団体の後裔に属している。
史実だけでなく、興味深い洞察もある。イスラムが国教化されたパキスタンと異なり、インドではガンディーが提唱し、会議派も志向していた多宗教共存主義へ向かう。暗殺計画が事前に政府に漏れたにも関わらず、ガンディーは警備を望まず政府も手薄だった。ガンディー自身も覚悟し、政府・会議派も予期した暗殺ではなかった。「殉死」と表現する。また、ガンディーが晩年、孫娘と全裸で寝ていた「修行」と称する奇行についても、ジェンダー・平和構築の視点で再解釈を試みている。
わずか200ページにも関わらず、近年の研究に基づいたガンディーの生涯はもちろん、その人となり、家族の肖像、ヒンズー民族主義との関係、国際情勢との関わりも述べられている。英国の理不尽な圧政、支配階級による搾取という現実の壁を民衆とぶち抜こうとするガンディーの情熱を、語りかけるように描いていて、読み手に深い感銘を与える。ある種の非暴力平和主義だった戦後民主主義が後景に退いた日本では、リアリズムが行き過ぎて現状追従の悪しき現実主義に陥っている。だが、意志の力が束になれば平和のうちに大英帝国を押し出すことも認識すべきだ。聖人から「民衆と共に平和を紡ぐ人」に再解釈されたガンディーは、今の日本のカウンターイデオロギーになりうる人物ではないだろうか。強く薦めたい。
しびれるようなこの序文に、本書のガンディー像は集約されている。この情熱的な筆致で、学者としては大胆にみえる推論も展開しながらその生涯を描いている。知名度の高い「偉人」であり、近年は晩年の奇行や、不可触民指導者・アンベードカルとの確執もあって、読む前は「今さら」感もあったし、非暴力不服従のあまりな理想主義ぶりに鼻白む思いもあった。だが読んだ後、インド人の大半が、ほかにも指導者がいるにも関わらず熱狂的にガンディーに付き従ったのか、深い理解を得ることができた。
インド人の絶大な尊敬を集めた理由は明快だ。ガンディー以前のインド・ナショナリズムは、エリート階級たる法曹家だけで社会の広がりを欠いていた。だが、ガンディーはインドでの運動を、民衆の権利拡大から始めた。男女・カーストなど階級が絶望的に深く、底辺層を人間扱いしないエリートが頂点に座るインドにおいて、ガンディーはエリートの独立運動と民衆の地位向上運動を結びつけ、独立へ導く触媒となった。インド政界の中心人物でありながら、不可触民とも貧農とも起居を共にし、家族も己の一命も顧みず無私を貫く。「塩の行進」のような時宜を得た非暴力運動と法廷弁護に裏付けられた巧みな交渉で、権力者から権利を勝ち取るガンディーを、民衆は指導者として選択したのだ、と著者はいう。
そしてガンディー暗殺から現代までのインド政治を、著者は地続きのイデオロギー史として解説する。独立時の印パ対立でインドは大混乱に陥り、会議派を中心とする穏健派と、ヒンズー至上主義の急進派民族主義が激しく対立していた。非暴力融和を訴えるガンディーは独立後、ネルーら会議派指導者から時代遅れと受け取られていたが、その劇的な死をインド全土が悼み、混乱は一気に終息する。しかし、ヒンズー至上主義はガンディーの死で終わったわけではない。2018年現在、インドの政権はガンディーの死で非合法化された民族主義団体の後裔に属している。
史実だけでなく、興味深い洞察もある。イスラムが国教化されたパキスタンと異なり、インドではガンディーが提唱し、会議派も志向していた多宗教共存主義へ向かう。暗殺計画が事前に政府に漏れたにも関わらず、ガンディーは警備を望まず政府も手薄だった。ガンディー自身も覚悟し、政府・会議派も予期した暗殺ではなかった。「殉死」と表現する。また、ガンディーが晩年、孫娘と全裸で寝ていた「修行」と称する奇行についても、ジェンダー・平和構築の視点で再解釈を試みている。
わずか200ページにも関わらず、近年の研究に基づいたガンディーの生涯はもちろん、その人となり、家族の肖像、ヒンズー民族主義との関係、国際情勢との関わりも述べられている。英国の理不尽な圧政、支配階級による搾取という現実の壁を民衆とぶち抜こうとするガンディーの情熱を、語りかけるように描いていて、読み手に深い感銘を与える。ある種の非暴力平和主義だった戦後民主主義が後景に退いた日本では、リアリズムが行き過ぎて現状追従の悪しき現実主義に陥っている。だが、意志の力が束になれば平和のうちに大英帝国を押し出すことも認識すべきだ。聖人から「民衆と共に平和を紡ぐ人」に再解釈されたガンディーは、今の日本のカウンターイデオロギーになりうる人物ではないだろうか。強く薦めたい。
2023年3月3日に日本でレビュー済み
ネットに転がってるpdf資料に内容と文字がかなり似ている文節がある。そのため内容が意味不明になってたりしますし、参考文献にも紹介されてないが岩波さんは推敲されてるんですかね?
2020年12月19日に日本でレビュー済み
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非常に良かったです。